塩麹とはなぢ

身の回りの小さきを愛す

バンド

成し遂げてきた。真面目くさったでかい教室をライブハウスにしてきた。嬉しかった。完全にアポから企画書からやってきた。とてもしんどいことだらけだった。ただ、演奏する者として、時代に取り残された制服を一様に纏う大勢の友人たちを見て、涙が溢れた。見た目こそ同じなのに、メガネが多いのに、バンドから出る音に各々の思う音楽を、噛み砕いては消化してくれていた。

正直、私は面倒な生徒なのです。やりたいことを思いついては企画し、たくさんの人を巻き込む。それはいつも、最後はとても楽しくて嬉しくて幸せなことに思えるのだけれど、立ち上げる段階の時は生きている事にさえ罪に感じる、アホみたいに追い込まれる。

でもやっぱり堅苦しい重々しいあの教室が、自分をすり減らした分、みんなの「何か」を表現できる場所に出来たことが嬉しい。やっぱり音楽は、本気でやればやるほど伝わるし、レスポンスも返ってくるのだと知った。客次第なところもあるけれど、それでも本気でやる事に意味がある。

成し遂げて満たされてた私の五臓六腑は、すり減らした過去も、肩を落として帰路に着いたあの日も、全てを溶かして分解したみたい。今は幸せなのです。何かが起きて自暴自棄になる前に、嬉しかった事は嬉しかった時に存分に浸っていたい。