塩麹とはなぢ

身の回りの小さきを愛す

良くはないが悪くもない

疲れ切ってバスに乗る。あー疲れた。頭痛も酷い。グワグワしている。

今日はお昼をある会の人々で食べに行ったが、たらふく食わされた挙句に得るものはカロリーくらいしかなかった。

自分でも驚くくらい低い声でバスの運転手に最寄りの駅を告げた。疲れてる。かなり疲弊。

バス内は殆ど席が埋まっていた。唯一空いていた優先席に、若造が座ることに抵抗がないフリをして静かに座る。ただ、座った後すぐに私よりも優先席が必要な方が現れた。立とう。重い腰をあげる。ありがとう、と伝えてくれたことが若造なりに嬉しく思った。

疲れ切った中でも、ありがとうの余韻に浸りたかった。しかし立ってから気づいた。少し奥には知り合いがいるじゃないか。あまり話さない人だからバレないようにしなければ。もう面倒だ。疲れ倍増。ていうか目があった。知らないフリをする。お互い重荷になる。面倒中の面倒。それに加え無駄にバスの運転が荒い。インドバスだからってボリウッドみたいに激しくしたいのか。許さないぞ。ここまできたら本気で許さない。

そもそも今日はツイていない。そのせいにしたいけど、ご飯を食べた時も悪気で言った訳ではないだろう嫌なことを言われた。まったく。密かに根に持っている。悲しい。また自信をなくす。悪気でないというのもまた悲しくなるポイントである。

家に着く。見たくない現実だが、安いイタリアンに体重をめちゃくちゃ増やされた事を知る。悲しい気持ちでパジャマに着替えた。

物理的にも心理的にも重すぎる身をソファに投げ出した。犬が腹を出して帰りを祝してくれた。あー家っていいわ。マジでいい。疲れが取れていくのがわかる。こんなにツイてないけど、体重ヤバいけど、まあいいのかなとすら思える。もう屍のように寝転がって、テレビの録画を見て今日のツイていない日を塗りかえよう。なんだか、いまが幸せに思えてきた。もしかしたらツイていない現実は、今を幸せに感じる為の前フリだったのかな。

今日一日、決して良くはないが悪くもない。