塩麹とはなぢ

身の回りの小さきを愛す

2020-01-01から1年間の記事一覧

n街にて 

飼い主を待つ柴犬に勝手に心を重ね、撫でようとしたら噛まれそうになった。なんだこの犬はと、恥を紛らわすかのように罵りの意を抱いたけれど、噛みつこうとするところまで自分と重なった。唸ったのちにフセをして、歩ける時を待ち続ける毛並みが、わたしの…

相剋

世の中はまるで、まるで苦しいことが多い。ひっそりと暮らそうものなら、神がわたし自身を引き裂くかのように、痛みと分断した意識の在り方を投げ捨て、泣きながら自分で自分を接着している気持ちになる。 藝術はどこにでも転がっている。絵や映像や立体や、…

シナプスを恨む

調理実習が大嫌いだった。 何もできないのは自明なのだが、蓄積された小賢しさにより「やってる風」はうまいので、メチャクチャ丹精込めて(る風に)皿洗いをしたり、大根おろしはおろしすぎるまで自分の仕事にしていた。かなりスローな行動で時間を稼いでいた…