塩麹とはなぢ

身の回りの小さきを愛す

涙ってあったかい

家に帰っても、もう映画の中の人々に会えないことが悲しくて悲しくて涙が溢れてきた。内容を振り返れば主人公の心情の変化を思い出し涙が出る。無心になろうとしても、もう会えないスクリーンで生きていた彼らを思い出してしまう。

いつもいつも映画館に足を運ぶと、その劇場に心を置いていってしまう感覚だ。泣きまくってぼやけた視界のまま外へ出るから、私の正常な気持ちが置いてけぼりになる。

失くした平常心が教えてくれたこと、それは涙は温かい。目から温泉が出てるみたい。頰をつたってもなお、失くした気持ちの分を取り返そうとしているみたいでなんだか愛おしくも思えた。温かいだけでなんでもない涙。でも、冷たいより温かいに越したことはない。

これからも思い出しては打ちのめされそうなくらいに影響を私に与える映画。温かいというオプションのついた涙だけでカバーしようとする私の深層心理を抱きしめたい。

空っぽで満たされている心は、色んな気持ちを失くしているようだ。それに今日気づいた。カバーしてほしいなあ、たとえそれが無謀でも。